お部屋探しの知識
賃貸住宅に欲しい設備ランキング~ファミリー編~2024年2月版
2024.02.22
物件を探しているとき、たまに間取り図に「S」という記載がありますよね?
この「S」って一体何なんだろう?と思った方は少なくないのではないでしょうか。
「S」はService Room(サービスルーム)の頭文字を取って「S」と表記されますが、そもそもサービスルームとはどのようなものなのでしょう。
知っていれば有効活用もできてお得に物件をゲットできる可能性のある「S(サービスルーム)」について分かりやすく解説していきます。
間取り図で「S」と記載されるサービスルームは、建築基準法上「居室」としてカウントできない空間をさします。
「居室」・・・リビングルーム、寝室、子ども部屋など
「居室とカウントしないもの」・・・玄関、トイレ、浴室、台所、廊下、クローゼットなど
つまり、住んでいる人がくつろいだり寝たりできる部屋・長時間を過ごせる部屋=「居室」というわけです。
ではこの「居室」について、なにか決まりがあるのでしょうか?
先ほど少し出てきた「建築基準法」という建物に関する法律でこの基準が定められています。
基準は以下の2点です。
・床面積の1/7以上の採光があるか
・換気に必要な開口部が床面積の1/20以上か
「住んでいる人が快適に過ごせる部屋になるように、採光と換気についてしっかりと考えなさい」ということですね。
コンセントやテレビターミナルなど、一般的な部屋の設備についての決まりは特にありません。
ただこれはあくまでも業者側が守らなくてはいけないルールであって、サービスルームをどう利用するかは使う人の自由でもあります。
ですので、サービスルームのなかには部屋として使うこともできる「お値打ちな物件」があるのです。
上記の解説の通り、玄関やトイレ、浴室、廊下以外で「居室」とは記載できない部屋について「サービスルーム」や「納戸」、「ウォークインクローゼット」と記載されていますが、これら3つの呼び方にはどのような違いがあるのでしょうか?
実のところ、明確な違いや定義はありません。
これらは物件の雰囲気や広さによって呼び方を変えているだけで、いずれも「居室ではない」という点で同じです。
例えば、部屋としても使えそうな広さであれば「サービスルーム」、収納として使うほうがよさそうなサイズであれば「納戸」や「ウォークインクローゼット」、と住宅メーカーや不動産業者のほうで使い分けているということなのです。
先ほどお話した通り、建築基準法上「居室」としての条件を満たしていないものがサービスルームと記載されます。
ですので、部屋のタイプによっては価格面でお得になる場合もあります。
マンションなどでは物件の専有面積や間取りは同じなのに、片方は「2LDK」もう片方は「1SLDK」と記載されていることがあります。
これはコンセントや窓など通常の部屋と同じ設備があるにもかかわらず、階数やエレベーター・エントランスの配置の都合で採光条件が基準を満たせずにサービスルームと記載されているものになります。
このようなケースでは、同じ間取りでも「2LDK」と記載されている物件よりも「1SLDK」のほうが安く設定されていることが多いのです。
もともとは居室として使うことを前提に設計されているわけですから、採光条件などを妥協すれば部屋としても使用することはできます。例えば帰宅後、夜間に書斎として使う際には部屋の電気をつけるのですから、採光条件での不利はあまり気にならないでしょう。
建物の構造上、居室として十分な広さが取れない場合の「サービスルーム」では設計の時点で大きめの納戸やクローゼットとしての使用を想定していますので、コンセントなどの設備がないのが一般的です。
広さや機能の面からみても部屋として使用するのは不便ですが、最初から物置としての利用を前提としているのであれば、1部屋多い間取りで契約するよりもお得になる「S」付きの間取りを検討するのも賢いといえるでしょう。
サービスルームの使い方としておすすめなのは、やはり「大きな収納」としての活用です。
ウォークインクローゼットや押し入れの場合、広さはせいぜい1~1.5帖程度が一般的です。
衣類や布団などであればこのサイズで十分ですが、たとえばルームランナーなどの大型トレーニング器具や大きめのクリスマスツリー、ストーブ、七段飾りのひな人形などは、保管にかなりのスペースを必要とします。
サービスルームであれば、通常2~3帖くらいの広さはありますので、さまざまなものを余裕で片づけることができるでしょう。
マンションなどで住んでいる人は収納のためにトランクルームを借りていることも多いようですが、サービスルームであればそのような手間が省けるので、とても便利ですね。
サービスルームは建築基準法上「居室」ではないため、居室としての設備がなくてもOKとされています。
そのためテレビターミナルやコンセント、窓・換気口などがないことも珍しくありません。
そのため採光や風通し、エアコンの設置やパソコン・テレビなどの家電製品の電源などで不便を強いられる可能性が高いといえます。
もちろん、廊下からコンセントを引っ張ってくる、あるいは窓に取り付けるタイプのエアコンをにするなど、工夫次第でクリアできることもあるので「部屋としては全く使えない」というわけではありません。
・利用例その1「ゲストルーム」
お友だちや親せきなどが遊びに来た際に、ついつい遅くなってしまい「今夜は泊っていく?」となるようなシーンはよくありますね。
いちいちリビングを片付けて布団を敷くスペースを確保して、などとなると大掛かりになってしまい泊るほうも恐縮ししてしまいがちですが、サービスルームを急な来客用のゲストルームとして活用できると非常に便利です。
ふだんはしまってあるエアーベッドなどを広げればあっという間に寝室に早変わりするのですから、かなりスマートです。
・利用例その2「プレイルーム・キッズスペース」
窓やコンセントがないので、子どもの居室とするのはあまりおすすめできませんが、本棚やおもちゃ箱を置いておいて子どもたちが遊べるプレイルーム・キッズスペースとして使うもの便利です。
子ども部屋はベッドや勉強机、衣服などに加えておもちゃや本を置いてしまうとスペース的にパンパンになってしまいがちです。
遊ぶときや読書するときだけプレイルームを使う、という具合にしてあげるとスッキリと片付く上に、勉強中に誘惑するものもなくなるので集中力がアップすることにもつながりそうです。
・利用例その3「書斎・ホビールーム」
「1人きりで過ごせる部屋が欲しい」という願いは男性女性に限らずともあるのではないでしょうか。
仕事から帰ってきて就寝までのひとときを過ごす書斎、または趣味の道具を置いておけるホビールームとして、サービスルームを活用するのもよいでしょう。
1日のうちのわずかな時間や週末だけ、という限定的な使い方であれば部屋としての機能が少々足りなくてもあまり不便に感じることがないかもしれません。
1人きりでゆっくりと趣味に没頭できる部屋があるなんて、ある意味とても贅沢で素敵ですね。
サービスルーム(S)の広さや機能は物件によってまちまちです。
「S」付きの物件を契約する際は、間取り図だけで判断するのではなく、実際にその広さや設備などをしっかりと確認しておくことが必要不可欠です。
なぜサービスルームと記載されているのかをきちんと把握したうえで、活用方法などを事前にある程度シュミレーションしておけば、とても便利でお得といえるでしょう。
◆筆者プロフィール◆
MOTSUKO
さいたま市在住40代帰国子女ライター。夫、長女、長男の4人暮らし。
タウン情報やトレンド情報、コラムなど幅広いジャンルを執筆。「歴女ブーム」により歴史好き女子が世間に認められてきたことを嬉しく思っている、年季の入った歴女。好きな武将は徳川家康。趣味は海外ドラマ鑑賞とドライブ。大好きなステーキを心置きなく楽しむためにスポーツクラブ入会を考え中。独身時代~現在に至るまで6回引越しを経験、最近新築戸建てのマイホームを購入。
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