物件選びの大切な基準「めやす賃料」ってなに?

2019.01.21

物件を探す時の基準となる、月の賃料や敷金、礼金。毎月かかる家賃は安い方が良いですが、安いからといって初期費用としてかかる費用が高い物件では、総額で見て結果的にお得なのかどうかわからないものです。そんな時に便利なのが「めやす賃料」です。初期費用を含めた金額を月割りして、「1ヶ月分に換算するといくらか」を表示したものです。ここでは、めやす賃料とは何かと具体的な例を挙げて説明していきます。また、めやす賃料を知った上での物件の探し方もご説明しますので、参考にしてみてくださいね。

「めやす賃料」ってなに?

めやす賃料とは、一つの物件を4年間契約した場合にかかる総額を1ヶ月あたりの金額に換算したものです。初期費用と月額費用を含めて合計した額が、1ヶ月あたりいくらになるかを計算しています。

このめやす賃料は、財団法人である日本賃貸住宅管理協会が、物件を選ぶ際によりわかりやすく、物件を比べやすくなることを目的として、全国一律の計算式で算出されています。

めやす賃料を見れば、4年間同じ物件に住んだ時の平均の月額料金がわかりますので、全体の総コストが分かります。どの位の期間で物件を借りるか、更新料については入居時に念頭に入れていないという人も多いのではないでしょうか。

更新してみたはいいけれど、実際、更新料も含めて合計金額を算出したら結果お得じゃなかった・・なんてコトも。先に4年間住んだ場合の想定金額が明示されていると、比較がしやすく、物件選びの参考基準になるのもメリットです。

めやす賃料に含まれない金額もあることを知っておこう!

めやす賃料はあくまで「めやす」です。実際の総支払い金額と違う場合もあります。
それぞれの物件や地域の特性によって費用の名目が違うことも多く、めやす賃料に含まれない金額が費用がある可能性があるためです。含まれる金額、含まれない金額は、以下の通りなので、注意しましょう。

【めやす賃料に含まれる金額】
・賃料
・共益費
・敷引金(償却金)
・礼金
・更新料

【めやす賃料に含まれない金額】
・敷金
・仲介手数料
・更新事務手数料
・鍵の交換費用
・原状回復特約費用
・設備使用料
・諸々の保険料
・保証会社利用料や委託料
・町内会費
・駐車場、駐輪場の月額費用
など

必ずかかる費用、かからない費用なども物件によりそれぞれです。正確な費用で各物件を比較したいという方は、不動産会社に頼んで、費用を細分化し、めやす賃料以外にかかるコストも把握した上でのトータルの費用を算出するのがベストでしょう。

そこまでするのは少し面倒だと考える人は、まずはめやす賃料を参考に比較しながら探して、住みたい物件が具体的になってきたらしっかりと計算してみると良いかもしれません。

実際に計算してみましょう

めやす賃料を計算する場合の式は以下に当てはめてみましょう。
{(賃料+共益費)×48+礼金+敷引金+更新料}÷48

では、実際にめやす賃料を計算してみましょう。

【パターン①】
家賃:70,000円
共益費:2,000円
敷金:3ヶ月(償却2ヶ月)
礼金:なし
更新料:1ヶ月

{(72,000円×48ヶ月)+140,000円+70,000円}÷48=76,375円

 

【パターン②】
家賃:70,000円
共益費:2,000円
敷金:なし
礼金:なし
更新料:なし

(72,000円×48ヶ月)÷48=72,000円

 

【パターン③】
家賃:70,000円
共益費:2,000円
敷金:なし
礼金:1ヶ月
更新料:なし
※フリーレント2ヶ月分

{(72,000円×48ヶ月)+70,000-140,000}÷48=70,541円

 

パターン①と②を比べてみると、毎月の費用が同じ72,000円でも、
初期費用や更新料を含めると、ひと月あたり4,000円以上違いがでることが分かります。

また、パターン③のように礼金があっても、フリーレントのようなサービスがあると、敷金礼金なしの物件よりも、結果的に安く借りられます。

めやす賃料を知って物件を選ぶことのメリットとは?

めやす賃料とは、含まれる内容や計算方法についてご説明しましたが、実際にめやす賃料を知っていたら、物件選びのどんな時に役立つのでしょうか?ここでは、めやす賃料が表示されていることで得するメリット、についてご紹介していきます。

平均の月額賃料がすぐにわかりやすいので物件選ぶがスムーズ!

一番のメリットは、前述している通り礼金や更新費用などを含む月額の賃料がわかりやすい点があります。

例えば、礼金が2ヶ月分ありながら、更新料は0円!と謳っている物件、また、更新料は2ヶ月分かかるけれど、礼金のみ0円はめやす賃料は同じになり、結果的に払う費用も同じになります。

このように、めやす賃料を見れば結果的にいくら払うのかが分かりやすいので、物件を選ぶ時に役立ちます。とは言え、めやす賃料には含まれない金額もあります。そのため、

・ネットなどで自分で探す時
⇒めやす賃料を参考にする
・不動産会社へ行って探す時
⇒不動産会社に正確な見積もり依頼する

 

と、いうような使い分けがおすすめです。

賃貸の契約条件は分かりにくく、自分で計算するのは難しいですが、
この方法なら総コストがどれくらいなのかを比較しやすくなります。

めやす賃料を上手く活用して、自分にあった物件を見つけましょう。

賃貸契約時のトラブルになりにくい!

敷金や礼金、仲介手数料、更新料など、物件の入居時に支払わないといけない金額項目は多数あります。それらがどういった時に発生する金額か、またどんな扱いなのか、しっかり説明されなければわからない内容も中にはあります。

実際に賃貸物件での契約に関するトラブルの多くは、賃料の他にかかる一時金についての内容です。その背景に、賃料の他にかかる金額が一時金なのか、どのタイミングでの支払いか、曖昧でわかりにくいという点があります。

めやす賃料を表示することは、借りる側の契約内容の理解度を上げることにも繋がります。わかりやすい表現で賃貸契約時のトラブルが少なくなるのは、嬉しいメリットですね。

まとめ

めやす賃料について詳しく説明してきました。めやす賃料を基準にすることで、どの物件に対して初期費用や更新費を含めどれだけ支払うのかがわかり、物件選びがスムーズになります。めやす賃料を上手に活用して、トータルで損をしないような賢いお部屋選びをしたいですね。

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