現役不動産会社の社員が教える、絶対に押さえておきたい5つの家賃交渉術!

2019.01.21

「家計に余裕が出るように、少しでも家賃を安くしたい!」と思いませんか?
毎月1,000円安くなれば、年間で12,000円も浮くお金ができますので、趣味や貯金などにお金をまわせるお金がけっこう増えます。
しかし、そもそも家賃は下げてもらえるものなのかな?交渉して大家さんと気まずくならないかな?と不安に思う方もいると思います。
そこで今回は、交渉についてコラムにしたいと思います。

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■そもそも家賃交渉ってできるの?


A.できます。

家賃交渉はドンドンするべきです。
大家さんも不動産会社も、家賃交渉されることは日常茶飯事ですから、遠慮することはありません。
成功率は物件によってバラバラなので、一概には言えませんが、30%~40%くらいの確率で成功しているように思います。
交渉に失敗しても、その物件を借りられなくなると言うこともありませんので、積極的に交渉してみましょう!

筆者は、元々仲介を専門にしている会社に勤めた後に、今の会社に転職してきたので、
交渉をする側と、交渉をされる側の両方ともを経験してきました。
少し自慢になってしまいますが、ぼくが交渉をする側だった時は、70%くらい交渉を成功させていました。
両方の立場を経験してきたからこそ分かる、交渉について書いていきたいと思います。

交渉を成功させる秘訣は大きく分けて2つあり、

①自分が良い入居者であるアピールをすること
②交渉の内容に現実味を持たせること

この2つがとても重要です。
ただ単純に「値下げしてください!」と言っても成功確率はあまり高くありません。
オーナーさんに「この人だったら家賃が多少下がっても入居してほしい」と思わせることが大切なポイントです。

では、具体的にどうすれば交渉の成功率があがるのか、次のトピックで5つのポイントに分けて解説したいと思います。

■賃貸物件の家賃値下げ交渉のポイント5つ!


それでは、早速交渉が成功するためのポイントを5つお伝えします。不動産会社の担当と協力体制を作って、お得に入居しましょう!

①賃貸の閑散期を狙う

まず、交渉する上で最も大切なものはタイミングです。オーナーさんが入居者募集に困っている時期が、1番条件を妥協してくれるタイミングです。

値下げ交渉で狙い目の時期は、「7~8月」と「10月~11月」です。
この頃は入居希望者も少なく、多少の値下げをしてでも入居してもらった方が大家さんにとっても利益になるため、交渉には絶好のタイミングです。

逆に一番不向きなのが、新生活シーズンの「1月~4月」です。
家賃を下げなくても入居してくれる人が沢山いるため、値下げ交渉は難しいでしょう。特に名古屋は転勤で引っ越しをされる方がとても多く、転勤の方に人気の物件は交渉が成功する可能性は限りなく0に近いのです。



【ケース スタディ】
実際にあった交渉の失敗例を元に、
どうすれば良かったのかを解説します!

Aさんの場合
新生活準備を始める3月上旬。Aさんは築年数の浅い物件にいくつか目を付けたが、どれも1万円ほど予算オーバー。どうしても新しくてきれいな物件に住みたいがために交渉を続けていたら、他の人に契約されてしまい会社近くの築浅物件は全て埋まってしまった。

 

プロからのアドバイス
今回Aさんが失敗してしまった要因は大きく2つです。1つ目はシーズン、2つ目は交渉金額です。上のトピックにも書かれていますが、1月~4月に家賃交渉を成功させることは基本的に難しいです。中でも3月上旬はピークですから、今回の交渉はハッキリ言って相手にされません。また1万円以上の値下げ交渉はほぼ100%成功しません。交渉限度は家賃の5%くらいまでが限度と言えるでしょう。

 


②物件の相場を知る

オーナーさんは賃貸物件の運営をビジネスでやっているため、赤字になるような値下げはしてくれません。
そのため、いきなり「5万円の物件の家賃を1万円下げて欲しい!」と交渉しても上手くいく確率は0%です。
相場を知って、ギリギリ黒字になるようなラインを攻めることが交渉を成功させる2つ目のポイントです。

また、相場と同じくらい大切なポイントが“空室期間“です。
平均的な募集期間が1ヶ月~2ヶ月、遅くとも3ヶ月以内が目安なので、
空室期間が3ヶ月以上の物件のオーナーさんは、焦りはじめていて交渉を受け入れてくれやすい状態になっています。

また、少し裏側の事情になってしまうのですが、
オーナーさんは、空室を貸し出す準備として、補修工事やクリーニングなどで約100万円くらいの追加投資をしています。そのため、できるだけ早く家賃収入がほしいという事情もあります。

家賃の相場は、不動産会社の担当に聞いても良いですが、自分自身でも調べることができます。
HOME’Sの相場チェッカーが使いやすく、毎週更新しているので、おすすめです。
⇒HOME’S相場チェッカー



【ケース スタディ】
実際にあった交渉の失敗例を元に、
どうすれば良かったのかを解説します!

Bさんの場合
最寄駅まで徒歩5分、リフォーム済みの家賃8万円の物件に目をつけたBさん。周りの物件の相場を知らなかったのでそこに決めてしまいましたが、周辺には同じ条件でもっと家賃のお得な物件が沢山ありました。相場を把握しておけば、値下げ交渉がスムーズに進んでお得に借りられたかもしれません。

 

プロからのアドバイス
これはインターネットが発達した現在では見かけなくなった事例ですが、今でもありえない話ではありません。インターネットで調べることは可能ですが、道を挟んだだけで家賃が変わったり、同じ最寄駅でも“区”が違って家賃が変わることもあります。不動産会社の担当にどんどん相談したほうが良いです。冒頭にも書いてあった通り、家賃交渉は日常茶飯事なので、遠慮なくご相談いただきたいですね。

 


③申込書をバッチリ書く

住みたい物件が決まったら、申込書をオーナーさんに渡して入居の手続きに進んでいきます。
このときの申込書の項目は全て埋めましょう。空欄なんてもってのほかです。

賃貸を契約するときには面接なんてありませんので、申込書を見てオーナーさんは全てを判断しています。
言い過ぎのように聞こえるかもしれませんが、申込書で全てが決まります。

また、添付書類もしっかり揃えていると、さらに好印象です。
免許証のコピーや社会保険証などが一般的に求められることが多いので、
交渉する際には忘れずに持ってきてほしいです。

例えると、申込書は就職活動のエントリーシートに似ています。
「自分がいかに良い契約者なのか」をしっかりとアピールして、交渉に臨みましょう!

④初期費用の交渉を忘れずに

月額の賃料の交渉に失敗しても、あきらめてはいけません。
名古屋のオーナーさんは、賃料よりも初期費用の交渉に乗ってくれることが多いからです。
敷金礼金やフリーレントなどは、全体の金額がハッキリしているので、
オーナーさんもイメージが掴みやすいようです。

しかし実は初期費用の値下げは、入居者さんにとって結構お得で、
例えば、家賃8万年の物件の礼金を1ヶ月分を無しに交渉できたとすると、1ヶ月約3000円節約できたと同じになるのです。(2年住んだ場合)
フリーレントで1ヶ月無料となった場合も同じ計算が成り立ちます。

家賃交渉に失敗しても、忘れずに初期費用の交渉も行いましょう!



【ケース スタディ】
実際にあった交渉の失敗例を元に、
どうすれば良かったのかを解説します!

Cさんの場合
Cさんは家賃交渉をしましたが、値下げして貰えなかったので、そのままの条件で契約しました。しかしCさんの後にその物件に入居してきた人は、1ヶ月のフリーレント付きで契約できたようです。Cさんも初期費用の交渉をしていれば、フリーレントを獲得できたかもしれません。

 

プロからのアドバイス
交渉はタイミングが重要なので、下げてもらえたかどうかは、今となっては分かりません。しかし交渉の余地は大いにあったでしょう。あくまでも傾向ですが、初期費用は家賃に比べると交渉のハードルが低いのです。大家さんは借金をして賃貸物件を建てますから、当然毎月返済をしなければなりません。そのため大家さんからすると月額家賃にはシビアにならざるを得ないのです。逆に初期費用は、値引きをしてもそのまま1ヶ月空室よりは良いので、大家さんにとってもメリットがあります。

 


⑤家賃発生日を考える

家賃発生日とは、契約が開始され、家賃を払い始める日のことです。
オーナーさんは出来るだけ早く入居してもらって家賃を受け取りたいと考えていますので、
申込みから家賃発生日までは、長くて1ヶ月です。

そのため、1ヶ月ギリギリの入居日に設定したり、越えてしまっていたりすると、交渉の成功率はガクッと下がってしまいます。
オーナーさんからすると、
「そんなに待たなきゃいけない上に、減額もしないといけないのか…」とネガティブな感情を持っています。

家賃発生日は遅くとも1ヶ月以内で、できるだけ早いほうが交渉の成功率は上がります。



【ケース スタディ】
実際にあった交渉の失敗例を元に、
どうすれば良かったのかを解説します!

Dさんの場合
Dさんは早々に内定を取ることができました。良い物件が残っているうちに部屋探しをしようと1月に不動産会社に行き、希望通りの良い部屋を見つけることができました。しかし引っ越し予定は3月下旬。今申し込みしても入居まで3ヶ月あるので、値下げ交渉には応じて貰えませんでした。

 

プロからのアドバイス
恐らく上記のような内容ですと、申込み自体も受け付けてもらえなかったと思われます。基本的に申込みをしてから契約を開始するまでは1ヶ月以内が目安です。ですから、逆に言えば“すぐに住める”ということは交渉の材料になりますので、ご自身の住み始めるタイミングを鑑みて交渉すると成功しやすいです。今回の事例の場合、家賃交渉は難しいですが、物件によっては新入学の大学生の方や、新社会人の方に向けたものもあります。そういった物件の場合はもともと家賃がお値打ちに設定されていたり、家具家電が付いていたり、長期のフリーレントがあったり、既に優遇されていることが多いです。交渉はあくまでも“お値打ちに住むための手段”ですから、交渉にこだわりすぎず、そのような物件を探すこともおすすめです。

 

■交渉しても入居後、気まずくならない?

A.基本的にはなりません。

入居後に接点が多いのは管理会社で、オーナーさんとは直接関わらないことが多いのです。
昔ながらの大家業をやっているオーナーさんの物件は、直接の接点を持つことがありますが、
今の賃貸物件は80%が管理会社に委託されているので、可能性は低いと言えるでしょう。

管理会社の担当者も平均で500~600世帯の物件を管理していますので、
入居の時に交渉があったかどうかを覚えていることはほとんどありません。

ここに関しては、ドライに考えて良いと思います。

 

■まとめ

交渉のコツをまとめると、「Win-Winの関係を作れるかどうか」がいちばんのカギです。自分だけ得をするために無茶な交渉をすると成功率は著しく下がってしまいます。

▼気をつけるポイントは2つ。

  • 家主さんのことも考えてあげる
  • 自分が良い入居者であることをアピールする

この2つに気をつけていれば、交渉が成功する可能性はグッと高まります。
大家さんも不動産会社も値下げ交渉されることには慣れていますので、失礼だと思わずどんどん聞いて見ましょう。

家賃がダメだったら初期費用を・・・など交渉の余地は沢山ありますので、どんどん交渉してみましょう!
ぜひお得に部屋を借りて、浮いたお金で充実した生活を送ってください。

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この記事を書いたスタッフ:
鈴木 誠也 SEIYA SUZUKI

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