マチのコラム
2021.02.03
二人で始めるお部屋探しの基本は協力と分担です。一人で住むお部屋であれば、都合の良いタイミングでお部屋を見て好きな基準でお部屋を決められますが、二人で住むとなれば話は別。内見のスケジュールを合わせたり、話し合いながら二人が納得できるお部屋を見つけなければいけません。ただその分どうしてもフットワークは重くなってしまいがち。
効率的に賢くお部屋を見つけるために、二人で始めるお部屋探しの基本とコツをしっかりおさえておきましょう。
本題に入る前に、まず二人暮らしの賃貸事情についてちょっとお話させてください。
目標は及第点のお部屋探し
最初から夢をこわすような内容になってしまいますが、基本的に賃貸物件のお部屋探しで100点満点の理想の物件が見つかることはほぼあり得ません。
賃貸物件はほとんどの場合オーナーさんが投資目的で保有しているので、誰かにものすごく気に入られる物件ではなく、誰にとっても60点を取れるような平均的な物件が多いんです。
そのため、デザイン、価格、設備すべてにこだわって100点満点の物件を見つけることは至難の業。人によって条件や好みは様々なので一概には言えませんが、基本的には折り合いをつけながら及第点の物件を探すことが大切なんです。
二人暮らしできる物件は少ない
愛知県は持ち家志向が強いこともあって、実は二人暮らし向きの物件がとても少ないんです。
(2020.12 時点 / 名古屋エリア)
上のグラフを見ても分かる通り、半数以上の64%を占める一人暮らし向けの物件に対して、二人暮らし向けの物件はわずか36%です。このグラフは2K以上の間取りを「ふたり暮らし物件」としているので1LDKの物件を選択肢に入れた場合もう少し物件の数は増えますが、それでも築年数やエリアなどその他の条件も追加してここからさらに物件数が減っていくことを考えれば決して選択肢が多いとは言えません。
良い条件のお部屋はとくに競争率も高いので、先述したように及第点のお部屋が見つかった場合、決断は早い方がいいですよ。
お部屋探しに時間がかかる
自分の判断でなんでも決められる一人暮らしのお部屋探しとは違い、二人暮らしの場合はちょっとしたことでも話し合いが必要なので、その分時間がかかります。
たとえば自分が気に入った物件が2件、相手が気に入った物件が2件それぞれあった場合内見にかかる時間は倍になりますし、内見に行った先でもそれぞれ見るポイントが違うので内見時間も長めに確保しておく必要がありますよね。
二人暮らしのお部屋探しにおいては、ひとつひとつの決断に話し合いや意見のすり合わせが必要な分時間がかかるということを覚えておいて下さいね。
また、何度もスケジュールを合わせるのもなかなか大変なので、情報収集段階の内見であればVR内見、リモート内見などオンラインでの内見方法を選択するのもひとつの手段ですよ。
◎ただ情報収集を終え本命の物件が決まった場合には、周囲の環境や実際のお部屋の使い勝手など直接確認した方がいいので実際に足を運んでいただくことをおすすめします。
スケジュール管理に困らないよう、事前にざっくりとしたお部屋探しのステップを頭に入れておきましょう。
お部屋探しを始める目安は入居予定日の40~45日前。それより以前に探し始めてしまうといい物件があっても他の人に取られてしまう可能性がありますし、この期間より短いとしっかり内見の時間を確保できなかったり、入金や書類の提出期限に余裕がなくなってしまう可能性があります。すんなりお部屋が決まらない可能性も考慮した上で、40~45日前から動き始めることが妥当ですよ。
◎お部屋を効率よくスムーズに決めるコツは、初期・中期・後期の3つのステップを意識してお部屋探しを進めることです。
初期(入居の40日前)
最初のステップは生活イメージや相場感をつかむための情報収集です。この時点では物件を決めにかからず、周りにアドバイスをもらったり、ネットのお部屋探しサイトで自分の希望に合った物件の情報を見て相場を把握しておきましょう。SNSなどで情報収集をして生活イメージを膨らませておくのもいいですね。
情報取集をしながら条件やエリアのイメージを話し合い、二人にとって必須の条件をここで絞っておきます。お互いが思い描くライフスタイルを共有し、必要な設備などもここで決めておけると◎
中期(入居の30日前)
お互いの生活のイメージがつかめたら、具体的に細かく条件を詰めてお部屋を探し始めましょう。ただ必須条件ばかり増えすぎてしまうと物件数が限られてしまうので、選択肢があまりにも少ない場合は妥協できる部分はないか考えながら物件を見ていきましょう。
また、気になる物件が多い場合は無理に絞らず、VR内見やリモート内見などオンラインでの内見方法を活用して効率的にお部屋を内見し、物件をふるいにかけていきましょう。実際に足を運ぶ物件は2~3件まで絞りましょう。
後期(入居20日前)
この時期までに物件の目星をつけて内見し、物件を決められるのが理想的です。ただ、実際内見に行ってみてお部屋のイメージが変わったり、改めて条件を見直したくなるようなことも少なくはありません。その場合は、頑固になりすぎずひとつ前のステップ戻って条件を練り直し、再度お部屋を探してみましょう。
二人の意見を尊重し、折り合いをつけながら効率よく新生活を始めるためには、とにかくしっかり役割分担をすることが大切です。お部屋に入居するまでの役割は大きく分けて以下の4つ。
① 物件
ここではキッチンの使い勝手や家事動線を確認しなければならないので、家庭内の分担として主に家事を負担する方がこの役割を担った方がいいかと思います。丸投げは良くありませんが、主導権をどちらがにぎるかという点ははっきりさせておいた方がいいですね。
② 交渉
不動産会社と交渉する役割をどちらが担当するかは早めに決めておいた方が話もまとまりやすくなりますよ。相場に対して高かったり、設備に不足があるなど、具体的な交渉理由を示すことができれば値段が下がることもあります。
基本的には向き不向きで役割分担をしてしまって問題ありませんが、不動産業界は体質としてまだまだ古い部分があるので、契約関連の交渉事は男性が進めた方が有利な傾向にあるとも言われています。どちらが担当するか迷った時の参考程度に覚えておいて下さいね。
③ 契約
賃貸契約の名義人になり免許証、保険証、給与明細などを提出する役割です。場合によっては両親に保証人や緊急連絡先になってもらう必要があり、また印鑑証明なども用意しなければならないので、いつまでにどんな書類が必要か事前に確認して計画的に準備を進めることが大切ですよ。
④ 進捗
入居日まで、全体のスケジュール管理は必須です。新生活を始める際は、新しいお部屋の入居手続きに加え、今のお部屋の解約手続き、ライフラインの手続きなど、引っ越し業者の手配などタイミングに合わせて的確に作業をこなしていく必要があります。アプリなどを活用しスケジュールに合わせてタスク管理の状況を共有するのもおすすめですよ。
二人暮らしを始める時はひとつの決断ごとに話し合いが必要な分時間はかかりますが、相談相手がいる分心強くもありますよね。生活のイメージや希望など、ポジティブなことだけでなく不安な部分も話合って共有しておきましょう。
しっかり時間を確保し、しっかり役割分担をして協力することが楽しい新生活への一番の近道ですよ。
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